Q1. 物損事故でも「慰謝料」はもらえますか?
A. 原則として、もらえません。
ここが最大誤解ポイントの一つです。「慰謝料」は法律上、
「精神的苦痛に対する賠償」と定義されており、交通事故実務では**「怪我をしたこと(人
身損害)に対するもの」**として扱われます。 車が壊れてどんなにショックを受けても、大
切にしていた車でも、怪我がない限り慰謝料は0円です。
Q2. 修理費が車の価値(時価)を超えたらどうなりますか?
A. 原則、「車の時価額」までしか支払われません(経済的全損)。
例えば、修理費が50万円かかっても、その車の市場価値(時価)が30万円しかなければ、相
手の保険会社は30万円までしか払う義務がありません。 差額の20万円は自己負担になるか、
修理を諦めることになります。
※対策: 相手が**「対物超過修理費用特約」**に入っていれば、プラス50万円まで修理費が出
るケースがあります。
Q3. 事故車になって「下取り価格」が下がった分は補償されますか?
A. 「評価損(格落ち)」として認められることはありますが、ハードルは高いです。
「事故歴がついたから価値が下がった」という損害を「評価損」と言います。しかし、保険
会社は簡単には認めません。 一般的には、「新車登録から日が浅い(数年以内)」「高級車
である」「骨格(フレーム)に関わる大きな損傷がある」などの条件が揃わないと支払われ
ないことが多いです。
Q4. 代車費用は必ず出ますか?
A. 「必要性」が認められないと出ないことがあります。
通勤や仕事で毎日車を使う場合は認められやすいですが、「週末しか乗らない」「家に別の
車がある」という場合は、代車費用が認められない(あるいは期間を短縮される)ことがあ
ります。
Q5. ペットが怪我をした場合はどうなりますか?
A. 法律上は「物」として扱われ、物損事故の範疇になります。
非常に心苦しい話ですが、日本の法律ではペットは「モノ」扱いです。治療費は支払われま
すが、時価(その種類のペットの市場価格)を超える治療費は認められないことが多いで
す。また、ペットが怪我をしたことによる飼い主への慰謝料も、原則認められません。
Q6. ガードレールや信号機を壊したら、いくらかかりますか?
A. 意外と高額で、全額請求されます。
ガードレール: 1メートルあたり数千円〜ですが、工事費や人件費を含めると、少し曲げただ
けでも数万〜数十万円請求されることがあります。
信号機: 電柱ごと倒すと数百万円、制御盤を壊すとさらに高額になることもあります。 これら
は対物賠償保険でカバーできますが、保険を使っていない(警察を呼ばずに逃げた)場合は
全額自己負担となります。
Q7. 車に乗せていた荷物(スマホ、眼鏡、積荷)は補償されますか?
A. 事故との因果関係が証明できれば補償されます。
ただし、「経年劣化」が考慮されるため、新品価格ではなく**「時価(現在の価値)」**で
の賠償となります。
注意点: そもそも壊れていたのではないか?と疑われることがあるため、事故直後の現場写真
で壊れた状態を撮影しておくことが重要です。
Q8. ほんの少しの擦り傷でも警察を呼ぶ必要はありますか?
A. 必ず呼ぶ必要があります(法律上の義務)。
道路交通法により、事故の大小に関わらず警察への報告義務があります。 報告を怠ると「報
告義務違反」になるだけでなく、保険金請求に必要な**「交通事故証明書」**が発行されず、
保険が使えないという最悪の事態になりかねません。
Q9. 当て逃げされて相手が分からない場合、自分の保険は使えますか?
A. 保険の種類によります。
車両保険に入っていても、「一般条件(フルカバー)」なら使えますが、「エコノミー(車
対車+Aなど)」の場合は、相手が特定できていないと保険が下りない契約が多いです。 ま
た、自分の保険を使うと等級が下がり、翌年の保険料が上がるため、修理費と天秤にかける
必要があります。
Q10. 私有地(スーパーの駐車場など)での事故は警察を呼ぶ必要がありますか?
A.基本的には呼ぶべきです。
「公道」ではないため道路交通法の適用外となる場合もありますが、不特定多数の人が出入
りする駐車場は「道路とみなされる」ケースがほとんどです。また、保険会社への報告のた
めにも、警察を呼んで事故証明を作ってもらう(あるいは人身事故証明書入手不能理由書な
どの代替手段をとる)必要があります。
知っておくと役立つ「ワンポイント知識」
「もらい事故」での保険会社の対応について 信号待ちで後ろから追突された場合など、自分
に過失が全くない(過失割合 10:0)事故では、ご自身の保険会社は「示談交渉」を代行する
ことが法律上できません(非弁行為になるため)。
どうなる?: 被害者本人が、相手の保険会社と直接交渉しなければなりません。
対策: 自分の自動車保険に**「弁護士費用特約」**をつけていれば、弁護士に交渉を丸投げで
き、費用も保険から出ます。これが物損トラブルの最強の備えと言われています。
※「物損事故について|Q&A」は、交通事故に関する一般的な内容を元に当院でまとめたものです。
事故の状況や保険の加入内容によって対応が異なる場合がありますので、詳しくはお気軽にご相談ください。
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