玉突き事故とは、同一車線を進行・停止している車両に対し、3台以上の車が連鎖的に追突する交通事故のことです。
ビリヤードの「玉突き」のように前の車に次々と衝突していくことから、このように呼ばれています。
高速道路での渋滞最後尾や、信号待ちの列などで発生しやすく、スピードが出ている状態からの衝突では重大な被害に発展する恐れがあります。
わき見運転・前方不注意: スマホの操作やカーナビへの視線移動
車間距離の不足: 前の車が急ブレーキを踏んだ際に止まりきれない
悪天候による視界不良: 大雨、濃霧、降雪などによる発見の遅れ
居眠り運転・漫然運転: 長時間運転による疲労や集中力の低下
玉突き事故で最もトラブルになりやすいのが「誰が、どの程度の責任を負うのか(過失割合)」です。ここでは、先頭の車をA、中間の車をB、最後尾の車をCとした**「3台の玉突き事故」**の代表的なケースを解説します。
過失割合の目安 = A:0、B:0、C:100
AとBがすでに停止しており、後方からきたCがBに追突。その衝撃でBが前に押し出されてAにぶつかったケースです。この場合、最初の原因を作った最後尾のCに100%の責任があると判断されるのが一般的です。中間車両のBは不可抗力となるため、責任は問われません。
過失割合の目安 = A:0、BとCで責任を分担(状況による)
まずBがAに追突する事故を起こし、そこに後ろから来たCがBに追突したケースです。この場合、先頭のAには過失がありませんが、BとCの過失割合は**「Aに対する損害」「Bに対する損害」**で個別に判断されます。 それぞれの車間距離やブレーキのタイミングなどによって割合が大きく変動するため、事実確認が非常に重要になります。
【注意ポイント】 「前の車が不必要に急ブレーキをかけた(理由のない急ブレーキ)」ことが原因で事故が起きた場合は、先頭の車(A)にも30%程度の過失が問われる可能性があります。
万が一、玉突き事故の当事者になってしまった場合は、落ち着いて以下の手順で対応しましょう。
負傷者の救護と安全の確保 まずは自分と同乗者のケガを確認し、他の車両の負傷者を救護します。二次被害(後続車による追突)を防ぐため、ハザードランプを点灯させ、可能であれば車両を安全な場所へ移動し、発煙筒や三角表示板を設置してください。
警察への通報(110番) 事故の大小に関わらず、警察への通報は道路交通法で定められた義務です。警察を呼んで「交通事故証明書」を発行してもらわなければ、後々保険金を請求できなくなります。
当事者全員の連絡先確認・証拠保全 事故に関わった**すべての相手(先頭から最後尾まで)**の氏名、連絡先、車のナンバー、加入している保険会社を確認します。また、スマートフォン等で現場の状況や車の損傷箇所を撮影し、ドライブレコーダーの映像を保存しておきましょう。
保険会社への連絡 自身の加入している任意保険会社(または代理店)に速やかに事故の報告を行います。
必ず病院で診察を受ける 玉突き事故は、背後からの予期せぬ強い衝撃により「むちうち(頸椎捻挫)」になりやすい特徴があります。事故直後は興奮状態で痛みを感じにくいため、自覚症状がなくても当日のうちに必ず整形外科などの医療機関を受診しましょう。
玉突き事故は当事者が多いため、「自分はぶつかっていない」「いや、後ろから押されたからぶつかったんだ」と、当事者間で証言が食い違うことが頻繁に起こります。
証言が食い違うと過失割合が定まらず、損害賠償や治療費の支払いが遅れる原因になります。
【スムーズな解決のためのポイント】
ドライブレコーダーの映像を確保する: 客観的な証拠が最大の武器になります。
弁護士費用特約を活用する: ご自身の任意保険に「弁護士費用特約」が付帯しているか確認しましょう。複雑な交渉を法律のプロに任せることで、適正な賠償額の獲得と精神的ストレスの軽減に繋がります。
玉突き事故は、誰にでも巻き込まれるリスクがある複雑な交通事故です。事故の状況によって過失割合が大きく変わるため、現場での証拠保全(特にドライブレコーダー)が非常に重要になります。
もし玉突き事故でお悩みの場合や、相手方・保険会社との交渉に不安を感じる場合は、お一人で抱え込まず、交通事故に強い専門家へのご相談をおすすめします。
※「玉突き事故に巻き込まれたら?」は、交通事故に関する一般的な内容を元に当院でまとめたものです。
事故の状況や保険の加入内容によって対応が異なる場合がありますので、詳しくはお気軽にご相談ください。
〒808-0103
福岡県北九州市若松区二島
5丁目1-37
グランドアベニュー二島1階
【月・火・木・金】
9:00 ~ 20:00
【水・土】
9:00 ~ 13:00